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2020年5月5日火曜日

GオンStay home運用 

 2020年のGオンは新型コロナウイルスの影響でStay Homeが叫ばれる中での開催となり、いつもは山岳運用を行うところでしたが、急遽私有地の畑で運用を行いました。
標高は130メートル位でやはりロケーションはベストとは言えないですが贅沢は言えません。千葉県沿岸部、神奈川県位は狙えるかな?という望みを持って運用に臨みました。

朝5時半位に運用開始、天気はあいにくの雨模様、ひんやりとした陽気だったので11mワッチしながらまずは火起こし、お湯を沸かして珈琲を頂きました。最高の贅沢です^^

体が温まったところでプレハブ小屋の上にデジ簡アンテナ打ち上げ!八木アンテナは大島反射狙い、MR350はマグネット基台にアルミシートを張り付けてアース確保、少しでも見通しを確保すべく釣竿で高く上げて運用を開始するもNM…やはりオンエアしている局数も少ない様です。

あまりにも静かなのでネタ運用開始!!八木アンテナをスナイパーライフルに括り付けて1エリアを狙撃開始!かながわNK104局と何とかつながりました。

その後再び雨足が強くなってきたので屋根の下に退避、鮎を焼いたりしてのんびりしていました。

2020年3月21日土曜日

大賑わい!春オン2020 in 滝知山 合同運用レポート

春オン2020は滝知山にて各局合同運用を行いました~

運用地紹介

 滝知山は伊豆スカイライン内にある広大な園地であり、標高は662m、1,2エリア双方を見通せる他富士山も近くに拝む事ができるFBなロケーションの運用地だ。(トイレ、水道は無いので要注意)

早朝からの出撃

 前日からしずおかJG726局と合流、機材の積み込み等を行い、2時間程睡眠(JG局は一睡もせず)深夜2時に出撃となった。
道中は前日雨で路上はWET、強風も重なり、終始煽られながら冷や冷やの移動となった。
深夜3時過ぎに現着、DCRをワッチすると準備、移動中の各局が出現。深夜にも関わらず数局とQSO出来ました。
 夜が明けるにつれ若干風が穏やかに、つかさずお湯を沸かして朝食。移動を開始する局が増え始め、賑やかになってきました!

各局合流・合同運用開始!

 7時半前にさがみHR129局・あつぎRM121局が合流、その後たまたま運用地が被ったしずおかCE33局、しずおかYM510局、しずおかST747局が合流、その後かながわNK104局、かながわLE111局も合流、当初の予定局数を大幅に上回っての合同運用が始まった。

 まず始まったのがCB並べ。ハンディ、ポータブル、ヘリカルと多彩なリグが勢揃い!なかなか見られない光景です。

 その後なんとそのまま運用開始!全チャンネルワッチ出来るのは良いもののどのリグの音か分からない!というアクシデントもありましたが非常に面白い運用風景でした。
 その後特小でEB局同士でのQSOが開始!にぎやかに遊んでいたところ、天城山からかながわZX9局が入管。突如各局本気モード、特小パイルアップが発生すという一幕もありましたw


 その後風が大分収まり、運用の幅も拡大。EB局が入れ代わり立ち代わりいらっしゃる状況でさらに賑やかになって来ました。
お昼も近付き、小休憩。AL今日の一杯屋外編も実施!
昼食はかながわNK104局が唐揚げとおにぎりを振る舞ってくださりました。
ご馳走さまでした!!
午後の運用も非常に賑やかで、オールバンド絶えず入管し続け、各局ワイワイと運用しておりました!


15時を回り、ひと段落したところで周辺で運用されていた各局が寄り道EB。大人数での井戸端会議が始まり、夕陽をバックに更なる盛り上がりでした。

 17時を回り徐々に各局撤収。18時過ぎに解散となり、薄暗い山々を眺めながら下山しました。
気付いたら隣でJG局爆睡でしたwwwww

まとめ

まさかここまで各局大集合するとは思わなかった!!EBも含めオールバンド賑やかな春オン2020でした。

EB・QSO頂いた各局

DCR
かまくらGG130局
しずおかYM510局
ふなばしSS230局
こりやまRS015局
しょうなんYR770局
しずおかEX527局
さがみHR129局
しずおかFC310局
かながわCO512局
とうきょうMI218局
せたがやZX910局
しずおかK870局
よこはまMM06局
しずおかYK38局
かながわRA310局
よこはまCJ16局
いずNM167局
LCR
かながわYS41局
はままつHX41局
しょうなんSA326局
CB
かながわYS41局
かながわZX9局
ちば121局
かながわCU64局
しょうなんJV555局
ちばMR21局
よこはまAB158局
特小
かながわZX9局
しずおかIB430局
よこはまSH531局
EB
しずおかJG726局
さがみHR129局
しずおかMD22局
かながわNK104局
かながわLE111局
あつぎRM121局
よこはまSH531局
かながわCU64局
かながわCG61局
しょうなんSA326局
しょうなんJB231局
よこはまAD503局
しずおかYM510局
しずおかST747局
しずおかCE33局
しずおかAB635局
入れ替わり激しく、書き漏らし局あったら申し訳ございません。

TNX FB EB・QSO!!  








2020年3月6日金曜日

DCR親指アンテナで60㎞QSO!驚異の標高160m伊東市の高台合同運用 ~飛びが良い理由とは~

令和2年3月5日 伊東市合同運用記

~運用地紹介~


 今回の運用地は上地図のピンの位置、伊東市の魚市場脇の細い山道を車で10分程走った所にあり、道が狭い上、山道を上がった所にある教えてもらわない限り好ロケーションがあるとは思えないだろう場所にある小さな公園⁇であり、当局も教えてもらわなければ発見出来なかっただろう。
 標高は160m、可視マップに出力すると見通し範囲は標高相応で、3枚目の画像でも分かるように、眺望は良好であるが、データ上ではそこまで良い運用地とは思えない。そんなロケーションでしずおかJG726局、遠距離受信愛好家Y氏と合同運用を行った。

~驚くべき運用結果の数々~

 まず最初に驚かされたのは入管するFMラジオ局の数である。なんとLCRだけではスキャンしきれないのである。スキャンと同時にスキャン可能局上限の20局に達するのである。BCLラジオでスキャンをかけると余裕で30局以上ヒットするのである!
次々と繋がるライセンスフリー局
 今回はDCR八木アンテナ、LCRをメインで八木アンテナは1エリア方面に指向して運用を行った。暫くワッチ、CQ出しを行った所、神奈川県沿岸部は傘+2以上の感度で入管。非常に安定した交信ができた。
 加えて今回の運用で特筆すべき点は中野区や船橋市などの90㎞を超える地域とも繋がった点である。以前の運用ではモービルホイップで三鷹市と繋がった事もあり標高の割に比較的容易に遠距離交信が可能な点は非常に興味深い。

驚異の結果をもたらした厚木固定局との交信実験

16時を回った頃さがみHR129局が厚木市固定のGPアンテナからオンエア、八木アンテナで平均傘+1で入管、その後スタンダード社の純正アンテナでも交信出来る事が判明!交信実験が始まった。
 伊東市側のオペレーターはしずおかJG726局が担当し、ロストした場合の事も考え、携帯電話での通話状態を保持したまま実験が行われた。
手始めに純正アンテナ同士で実験。これは難なく51でクリア!さらに実験のハードルを上げていく。

次は純正アンテナよりも短い通称「親指アンテナ」で実験!
流石にハンディホイップ同士では厳しい状況でさがみ局がGPアンテナに変更。
流石に入らないだろうとダメもとで場所調整するとなんとピンポイントで復調されるポイントを発見!低利得アンテナでの数少ない遠距離交信実績が誕生した。
DJ-DPS70の純正アンテナと比較するとこの長さの違いである。長さは約5分の1、恐ろしく短いことが分かる。

~なぜここまでつながるのか

 標高160mという周囲の著名な運用地よりも標高が低いロケーションでなぜここまでの驚くべき実績を修める事が出来たのだろうか。独自に考察してみた。
1.周囲に建物が無い
 この運用地の特徴として半径200m以内に建造物が全く無い事が挙げられる。事実LCRやCB無線のノイズレベルは非常に低く、CBなどで全国的に観測されているノイズを除き、周囲から発生するノイズはかなり低く、これにより微弱電波でも復調されやすかったと考えられる。
2.等間隔に反射効果を得やすい山などが存在する
 
 冒頭の可視マップや、この画像でも分かるように、富士山や、伊豆大島、神奈川県の大山など標高の高い山や、島が分散して見受けられる。これによって直接見通せない場所でも様々な角度で反射した電波に助けられてQSOが成立し易い環境にあることが考えられる。
 今回の運用では大磯の海岸沿いで運用している局と八木アンテナを富士山に志向した状態で交信することが出来たことからも反射波の助けを借りやすい立地であると考えられる。

総括

 狭い入口や山道など道中は険しいが、標高の割には遠距離との交信や近距離との安定した交信が楽しめる上、眺望も良く、ノイズも低いのでFBな運用を楽しむことができた。
 しずおかJG726局も「あそこのロケーションはおかしい。不気味なくらいだ」と高く評価している。

お繋ぎ頂いた各局

DCR
しょうなんFW871局
とうきょうMH202局
かながわLE111局
さいたまAT38局
かまくらSD106局
さがみHR129局
ふなばしSS230局
おきなわMY385局
LCR
ちば4126局
CB
かながわLE111局
平日にもかかわらず沢山のQSOありがとうございました!

 

2020年2月9日日曜日

2020年2/9八王子市片倉つどいの森合同運用レポート

本日は当局行きつけの公園にて合同運用を行って参りました

八王子市片倉つどいの森公園
今回はあらかじめとうきょうMI218局との合同運用を計画していた為、場所取りも兼ねて早めに出撃。(運用が楽しみであまり寝付けなかった。)早朝6時過ぎに運用を開始した。今回は丸1日運用予定だったので電池の温存も兼ねておはようソラ友コールまでCQは出さずワッチ。
 早朝は移動局によるLCRの「ぶっこみ」がかなり盛んに行われている印象だった。

7:30ごろ さいたまMG585局によるおはようソラ友コール

今回は一発チェックインは果たせず、県外局優先タイムでチェックイン。八木アンテナ山岳向けの反射でQSO出来ました!

10時前ごろ とうきょうMI218局と合流

合同運用開始
今回の運用では高筑RC迎撃が一つの目標だった為、特小L03、LCR呼び出しで待機していたが、かなり厳しかった模様で、L02にて一瞬入管するもチェックインには至らなかった。
 一方でLCR、DCRは頻繁に各局のCQが聞こえており、午前はかなり飽きのこないFBな運用となった。

11時ごろから早めの昼食・かながわNV100局とEB

本日の昼食
日が高くなるにつれ次第に北風が吹きつけるようになり、寒さに耐えかねて使い捨てコンロに着火、早めの昼食とした。今回は近所の川で釣り上げたカワムツと餅を焼くことにした。やはり冬季の移動運用で温かい昼食が食べられるのは非常に心強い。
 この使い捨てコンロもかなり経済的で、着火剤が入っているので面倒な火起こしも必要無く、90分使用できて約300円。かなりお得だと感じる。
 丁度餅が焼き上がる頃、LCRにてかながわNV局入管、その後EBとなった。

午後運用開始 DCR高筑RCチェックイン

午後12:30頃15chにて筑波山より高筑RC入管。移動先のチャンネルを聞きそびれるも何とかチェックイン成功。何とか目標達成。コンロの余熱で色々温めながら各バンド運用しました。

かながわLE111局突然のEB

DCRにてCQを出した所かながわLE111局がフルスケールで入管、運用地のそばの駐車場に居るとのレポート。合同運用お誘いしたところ快くEBして頂けました。

14:30前頃まで3局合同運用、その後解散となった。

総括

今回の合同運用は雲1つ無い快晴で周囲の山々もくっきりと見えており、非常に八木アンテナの狙いは付けやすかった北風が終始強く、かなり寒い運用だった。しかし、週末ということもあり、運用されている局がかなり多く、非常にFBな運用となった。

お繋ぎ頂いた局

DCR

たまTS230局
さいたまMG585局 RC
よこはまA29局
とうきょうHM61局
さいたまAB193局
かまくらSD106局
むさしのAM634局
さいたまHR129局 RC
とうきょうSA119局
しずおかK870局
かながわLE111局
とうきょうJR141局

LCR

かながわZS401局
とうきょうHM61局
かわごえAK61局
とうきょうSS44局
むさしのAM634局
なごやAB449局

CB

とうきょうSS44局

緑区RPT

さいたまAK120局

EB

とうきょうMI218局
かながわNV100局
かながわLE111局

FBなEB並びQSO有難う御座いました!!

 

2019年12月15日日曜日

2019年12/15八王子市片倉つどいの森公園運用

 今回は未明から日本各地にてふたご座流星群が観測できるということで午前3時から八王子市にある片倉つどいの森公園に出撃、夜明けから昼前まで特小・DCR・CBの運用を行った結果、運用地の特色などをまとめてみた。

・運用地紹介 片倉つどいの森公園

標高145m 駐車場あり トイレ・水道あり 常夜灯あり

 
 片倉つどいの森公園の基本情報である。駅から徒歩で行ける点や駐車場などの設備が整っているのは嬉しいが、標高は145mとそこまで高くは無く、可視マップを見ても見通しはそれなりのように思えるが、公園と埼玉方面の山々の位置関係が最高に良い。




これが当局の運用形態である。CBはS字フック、他はベルトクリップで固定し、DCR用の八木アンテナは金属と接触させてもSWRに悪影響を及ぼしにくい反射器を柵に引っ掛ける形で固定している。この運用地では八木アンテナを生かした山岳反射運用が快適に行えることが醍醐味である。
これは八木アンテナを向けた方向の様子であるが、奥多摩方面の山が真正面に広がっており、柵にアンテナを固定するだけで良好な反射を得る事が出来、1Wで千葉県と繋がったり、アンテナを動かさずに連続で埼玉、神奈川、千葉、栃木と繋がるなど、非常に良い運用が出来ている。
 

本日の運用結果

 今回の運用は半日で2箇所のロールコールにチェックイン出来た他、10局を超えるQSO成立など、非常に贅沢なものであった。

おはようソラ友コール(荒川河川敷)

運用開始直後、DCR15chにてキー局 さいたまMG585局が入管、28ch秘話ありにてRCチェックイン成功、傘+1でQSO出来ました。
 

とうきょうSS44局による山岳RC (飛龍山山頂)

ショートアンテナタイプのリグで3回目の呼び出しでチェックイン成功。ノイズもほとんど無く非常にクリアに入管していました。

DCR

さいたまBX71局・ところざわMB39局・よこはまMK71局・とうきょうHM61局・とちぎSH330局・さがみTY713局・ふくしまRK55局・とうきょうHR129局・あつぎRM121局・とうきょうBR363局
 

CB

なごやYK221局・かながわCE47局・さいたまBY36局・よこはまTH90局・とうきょうHT135局

各局QSO有難うございました!!

まとめ

標高140mクラスの運用地で半日の運用にもかかわらず10局を超えるQSOが成立する運用地は中々珍しいのではないだろうか。CBに関してはほぼ山岳移動局の迎撃がメインになるが、周辺の山地はかなり見通しが利くのでかなりやりやすいと感じている。また、DCR山岳反射メインで運用出来る点もかなりポイントが高いと感じた。
 

 

 

2019年11月23日土曜日

大量の風船に特小レピーターを付けて飛ばす!「バルーンレピーター実験」。運用結果・見えてきた課題

平塚市で行われたバルーンレピーター実験

2019年11月16日平塚市某所の田んぼにおいて特小レピーターDJ-R100Dを大量のヘリウム風船に懸架し、浮上させ、交信を行う実験を行った。本記事では準備から運用そして得られた結果をまとめていこうと思う。

コンセプト

 本実験は安全設計・法令順守のコンセプトで行われた。
設計は国土交通省の専門部署にあらかじめレピーターの設置方法の立面図を送付し、担当者からの助言を得て行った。結果設計は以下の内容を満たす形でまとまった。

・気球本体の色は気赤色で統一させる
・最高到達高度は149m
・支線中央には0.6m×0.6mの旗を無風状態でも目視出来る形で設置

 これらは国土交通省から求められたもので一つでも満たない場合は高度60m未満で運用しなければならない。 
以下は独自に設けた安全基準

・風船はあえて中型の物を複数個取り付けることで上空で風船が破裂した場合の機材の急激な落下、それによる怪我を防止する。
・レピーターには緩衝材を巻きつける。
・見張りを必ず2人以上交代制で行う。

 これらを満たした設計を行い、右のような立面図を作成、国交省から問題無いとの回答を頂いた。また、運用地は東京航空局に確認し、決定した。

準備

バルーンレピーター実験を行う上で準備が占める割合は活動全体の8割を占めるほどであり、機材の準備以外にも、設計、土地所有者との相談、国交省との数回に及ぶ電話、メールでの設計確認、twitterでの告知、共同で実験を行ったしずおかJG726局との情報共有など活動内容は多岐に渡った。用意した機材は以下の通りである。

用意した機材
ヘリウムガス 1kL
16インチ風船 50枚
8号ナイロン製テグス 500m
小型カメラ
凧用リール
電動リール(かながわLE111局協力)

実験当日

午前2時過ぎから機材運搬、食料調達が始まった。ガスボンベなど重量物はJG726局の原付で運搬、私しずおかAL330とラジオの遠距離受信愛好家のY氏はスーパーで当日の食料を買い揃えた後細かい機材を持って運用地に向かった。


 午前3時には機材が揃った。運用地は一面が田んぼであり、民家等は一切無い為投光機を使い作業を行った。まずは149m丁度に糸を揃え、旗を設置する中間地点に印を付ける作業から始まった。幸いお借りした土地が広大だったため、余裕で直線距離149mが確保出来、糸を計測したのだが、巻き取る作業に苦しめられる事になった。糸が149もある為、少しでも緩むと糸がリールで暴れたり、草に絡みつくのである。最終的に端と端で無線連絡を取り、息を合わせて巻き上げることで綺麗に巻き上げられ、特小を縛りつけ、風船を膨らませる状況になったのは午前6時頃であった。



 若干の休憩を挟んだ後風船の膨らまし、取り付けに掛かった。レピーターは13個目の風船を取り付けた瞬間、ゆっくりと浮き上がった。その後5個程風船を取り付けた所安定して空中に静止するようになり、風もほぼ無風だったため、とりあえず旗の取り付け地点まで上げることにした。

 レピータは安定して上昇し、約2分で旗の取り付け位置まで到達した。
しかし、ここで問題が発生した。旗が上がらないのである。旗は100均のフェルトをサイズに合わせて切り、補強したものを用意したが、旗の重さに加え、準備中に夜露を吸い込んでしまい、重くなってしまった様である。
支線に取り付けるも上がらず


 仕方なくより薄い布を用意、補強し、風船もさらに追加して取り付けるも、上げた瞬間微風でも設備が流される様になった為仕方なく高度59mで運用を行うことになった。この問題については次やる機会があれば要改善である。

 高度59mで気球は非常に安定しており、数局のQSO成立に加え高頻度で各局のカーチャンクと思われる反応が続いていた。午前9時半過ぎ、かながわLE111局現着、電動リールを貸して頂いた他1日実験に協力頂きました。

風に煽られるレピーター

 10時頃リールを電動に換装し、運用を再開しようとしていたその矢先に海側から断続的に風が吹き始め、レピーターを上空に固定する事が困難な状況に陥った。リールを開放している間は風に流されつつも何とか上昇するが、規定の高度に達し、リールをロックすると緩やかに降下していく状況となった。
 



 暫くの間バルーンがギリギリ高度を維持できる長さまで支線を短くし、高度10~20mで運用を行い、その間に昼食をとる事にした。しかし、高度が低い状況でもある程度のカーチャンクがあった様に思われた。

 
一気にリールのロックを解除しレピーターを急上昇させる模様
昼食後何とかしてバルーンを上空59mまで届かせるべく、リールのロックを一気に解除させ、レピーターを上空59mまで急上昇後、高度が下がり始めたら電動リールのパワーに物言わせて一気に接地する前に巻き取る作戦に変更。常時レピーターを上空に留めることは出来ないものの、交信のチャンスは一気に増大、上げる度にカーチャンクが入るようになった。そこで、レピーターが上昇中に現場から「レピーター高度上昇中」などのアナウンスを入れるようにしたところ、それなりの数QSOが成立した。

 この運用方式で午後5時まで運用が続けられ、かなりの数のQSO成立に加え、移動局同士でのQSOや、遠距離からのカーチャンク成功情報などがtwitterに上げられるなどそれなりの運用実績を上げることが出来た。遠距離でのQSO成立例では富士山5合目、カーチャンク成功例では東京都自由が丘が最長だと思われます。神奈川県内では、各地でレピータの入管はある模様で、地域、バルーンの高さによってM1~M5に変化していた模様でした。

明らかになった空中設置型レピータの技術的課題

今回のようなバルーンレピーターに限らず凧、ドローンなどによって空中に特小レピーターを設置する構想はライセンスフリーラジオに留まらず、災害時の通信手段の確保という点においても成功すればかなりのアドバンテージとなる技術であると考えられる。しかし、今回の実験を通し、重大な技術的課題が発生することが明らかとなった。

・法令に従って設置する事の難しさ

これは今回のような支線を用いた形のレピータで大きな足かせとなる物であり、やはり60m以上にレピータを設置する場合に0.6×0.6mの旗を支線中央に設置しなければならないという課題は、風船の強敵である風の影響をもろに受けるうえ、支線が地面に対し垂直に上がらない場合、旗の設置点の高度が下がり、事故の要因となってしまう。これを解決する為には軽量で形状が変化しにくい旗の設計や、すぐに旗の位置を変化させられる留め具の用意が不可欠であると考えられる。

・レピーター本体の振動による激しい抑圧の発生

今回の実験において最もQSOの成立を難しいものとしたのが激しい抑圧の発生である。
今回使用したALINCO製のDJ-R100Dなどのレピーターは1本のアンテナでアップリンクの受信とダウンリンクの送信を行っている為か、激しい抑圧が頻発し、数秒間に渡りダウンリンクから無変調が流れることが多々あった。この現象山岳レピーターなどに遠距離からアクセスした場合にも起こりうるものであるが、レピーターの振動という状況が加わることによりさらに症状が悪化すると思われ、場合によってはアップリンクの変調が全くダウンリンクに乗らず、十数秒に渡って無変調が流れ続けるという事態も発生した。これはレピーターを空中に設置する計画において解決の必要がある最重要課題であると感じた。この症状はレピーターのアンテナを常に垂直に保つ設計や、レピーターの振動を低減させる機構を設けることで症状の改善が見込まれるが、どこまで低減できるかは要検証である。

まとめ

風船で特小レピーターを空中設置する実験を行ったのは恐らく日本初であり、活動的・技術的に見ても非常に魅力的で夢のあるものであり、得られた結果は非常に有意義なものであったと感じている。今回の実験運用の形態は実用的かと問われれば、答えはNOに近いものであったが、激しく変化するコンディションや、抑圧の影響によって、QSO成立の難易度はCB無線のEs交信よりも非常に高く、挑戦しがいのあるレピーターであり、ホビー的に見れば非常に面白いものであったのではないだろうか。また、地上60mの可視マップとQSO成立及びカーチャンク成功地点を比較すると可視圏外まで電波が飛んでいたことが良く分かり、人体や山肌などの影響が少ない事でより遠距離まで電波が届くのではないかと推察出来た。旗、風の問題が無ければかなりの遠距離交信が実現する可能性あることが容易に想像できるが故に今回の失敗が悔やまれるところである。
地上高約59mの可視マップ

最後に

・今回の運用では風などの影響により、風船の高度が上がらず、千葉、北関東方面までカバーしきれず申し訳ありませんでした。
・今回バルーンレピーターアクセスチャレンジして頂いた各局並びに現地協力していただいたかながわLE111局、遠距離受信Y氏のご協力ありがとうございました
・今回の実験はしずおかJG726局との共同実験でした。

動画版運用レポート


https://www.youtube.com/watch?v=0XJp5WXGpdo