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2020年2月9日日曜日

2020年2/9八王子市片倉つどいの森合同運用レポート

本日は当局行きつけの公園にて合同運用を行って参りました

八王子市片倉つどいの森公園
今回はあらかじめとうきょうMI218局との合同運用を計画していた為、場所取りも兼ねて早めに出撃。(運用が楽しみであまり寝付けなかった。)早朝6時過ぎに運用を開始した。今回は丸1日運用予定だったので電池の温存も兼ねておはようソラ友コールまでCQは出さずワッチ。
 早朝は移動局によるLCRの「ぶっこみ」がかなり盛んに行われている印象だった。

7:30ごろ さいたまMG585局によるおはようソラ友コール

今回は一発チェックインは果たせず、県外局優先タイムでチェックイン。八木アンテナ山岳向けの反射でQSO出来ました!

10時前ごろ とうきょうMI218局と合流

合同運用開始
今回の運用では高筑RC迎撃が一つの目標だった為、特小L03、LCR呼び出しで待機していたが、かなり厳しかった模様で、L02にて一瞬入管するもチェックインには至らなかった。
 一方でLCR、DCRは頻繁に各局のCQが聞こえており、午前はかなり飽きのこないFBな運用となった。

11時ごろから早めの昼食・かながわNV100局とEB

本日の昼食
日が高くなるにつれ次第に北風が吹きつけるようになり、寒さに耐えかねて使い捨てコンロに着火、早めの昼食とした。今回は近所の川で釣り上げたカワムツと餅を焼くことにした。やはり冬季の移動運用で温かい昼食が食べられるのは非常に心強い。
 この使い捨てコンロもかなり経済的で、着火剤が入っているので面倒な火起こしも必要無く、90分使用できて約300円。かなりお得だと感じる。
 丁度餅が焼き上がる頃、LCRにてかながわNV局入管、その後EBとなった。

午後運用開始 DCR高筑RCチェックイン

午後12:30頃15chにて筑波山より高筑RC入管。移動先のチャンネルを聞きそびれるも何とかチェックイン成功。何とか目標達成。コンロの余熱で色々温めながら各バンド運用しました。

かながわLE111局突然のEB

DCRにてCQを出した所かながわLE111局がフルスケールで入管、運用地のそばの駐車場に居るとのレポート。合同運用お誘いしたところ快くEBして頂けました。

14:30前頃まで3局合同運用、その後解散となった。

総括

今回の合同運用は雲1つ無い快晴で周囲の山々もくっきりと見えており、非常に八木アンテナの狙いは付けやすかった北風が終始強く、かなり寒い運用だった。しかし、週末ということもあり、運用されている局がかなり多く、非常にFBな運用となった。

お繋ぎ頂いた局

DCR

たまTS230局
さいたまMG585局 RC
よこはまA29局
とうきょうHM61局
さいたまAB193局
かまくらSD106局
むさしのAM634局
さいたまHR129局 RC
とうきょうSA119局
しずおかK870局
かながわLE111局
とうきょうJR141局

LCR

かながわZS401局
とうきょうHM61局
かわごえAK61局
とうきょうSS44局
むさしのAM634局
なごやAB449局

CB

とうきょうSS44局

緑区RPT

さいたまAK120局

EB

とうきょうMI218局
かながわNV100局
かながわLE111局

FBなEB並びQSO有難う御座いました!!

 

2019年12月15日日曜日

2019年12/15八王子市片倉つどいの森公園運用

 今回は未明から日本各地にてふたご座流星群が観測できるということで午前3時から八王子市にある片倉つどいの森公園に出撃、夜明けから昼前まで特小・DCR・CBの運用を行った結果、運用地の特色などをまとめてみた。

・運用地紹介 片倉つどいの森公園

標高145m 駐車場あり トイレ・水道あり 常夜灯あり

 
 片倉つどいの森公園の基本情報である。駅から徒歩で行ける点や駐車場などの設備が整っているのは嬉しいが、標高は145mとそこまで高くは無く、可視マップを見ても見通しはそれなりのように思えるが、公園と埼玉方面の山々の位置関係が最高に良い。




これが当局の運用形態である。CBはS字フック、他はベルトクリップで固定し、DCR用の八木アンテナは金属と接触させてもSWRに悪影響を及ぼしにくい反射器を柵に引っ掛ける形で固定している。この運用地では八木アンテナを生かした山岳反射運用が快適に行えることが醍醐味である。
これは八木アンテナを向けた方向の様子であるが、奥多摩方面の山が真正面に広がっており、柵にアンテナを固定するだけで良好な反射を得る事が出来、1Wで千葉県と繋がったり、アンテナを動かさずに連続で埼玉、神奈川、千葉、栃木と繋がるなど、非常に良い運用が出来ている。
 

本日の運用結果

 今回の運用は半日で2箇所のロールコールにチェックイン出来た他、10局を超えるQSO成立など、非常に贅沢なものであった。

おはようソラ友コール(荒川河川敷)

運用開始直後、DCR15chにてキー局 さいたまMG585局が入管、28ch秘話ありにてRCチェックイン成功、傘+1でQSO出来ました。
 

とうきょうSS44局による山岳RC (飛龍山山頂)

ショートアンテナタイプのリグで3回目の呼び出しでチェックイン成功。ノイズもほとんど無く非常にクリアに入管していました。

DCR

さいたまBX71局・ところざわMB39局・よこはまMK71局・とうきょうHM61局・とちぎSH330局・さがみTY713局・ふくしまRK55局・とうきょうHR129局・あつぎRM121局・とうきょうBR363局
 

CB

なごやYK221局・かながわCE47局・さいたまBY36局・よこはまTH90局・とうきょうHT135局

各局QSO有難うございました!!

まとめ

標高140mクラスの運用地で半日の運用にもかかわらず10局を超えるQSOが成立する運用地は中々珍しいのではないだろうか。CBに関してはほぼ山岳移動局の迎撃がメインになるが、周辺の山地はかなり見通しが利くのでかなりやりやすいと感じている。また、DCR山岳反射メインで運用出来る点もかなりポイントが高いと感じた。
 

 

 

2019年11月23日土曜日

大量の風船に特小レピーターを付けて飛ばす!「バルーンレピーター実験」。運用結果・見えてきた課題

平塚市で行われたバルーンレピーター実験

2019年11月16日平塚市某所の田んぼにおいて特小レピーターDJ-R100Dを大量のヘリウム風船に懸架し、浮上させ、交信を行う実験を行った。本記事では準備から運用そして得られた結果をまとめていこうと思う。

コンセプト

 本実験は安全設計・法令順守のコンセプトで行われた。
設計は国土交通省の専門部署にあらかじめレピーターの設置方法の立面図を送付し、担当者からの助言を得て行った。結果設計は以下の内容を満たす形でまとまった。

・気球本体の色は気赤色で統一させる
・最高到達高度は149m
・支線中央には0.6m×0.6mの旗を無風状態でも目視出来る形で設置

 これらは国土交通省から求められたもので一つでも満たない場合は高度60m未満で運用しなければならない。 
以下は独自に設けた安全基準

・風船はあえて中型の物を複数個取り付けることで上空で風船が破裂した場合の機材の急激な落下、それによる怪我を防止する。
・レピーターには緩衝材を巻きつける。
・見張りを必ず2人以上交代制で行う。

 これらを満たした設計を行い、右のような立面図を作成、国交省から問題無いとの回答を頂いた。また、運用地は東京航空局に確認し、決定した。

準備

バルーンレピーター実験を行う上で準備が占める割合は活動全体の8割を占めるほどであり、機材の準備以外にも、設計、土地所有者との相談、国交省との数回に及ぶ電話、メールでの設計確認、twitterでの告知、共同で実験を行ったしずおかJG726局との情報共有など活動内容は多岐に渡った。用意した機材は以下の通りである。

用意した機材
ヘリウムガス 1kL
16インチ風船 50枚
8号ナイロン製テグス 500m
小型カメラ
凧用リール
電動リール(かながわLE111局協力)

実験当日

午前2時過ぎから機材運搬、食料調達が始まった。ガスボンベなど重量物はJG726局の原付で運搬、私しずおかAL330とラジオの遠距離受信愛好家のY氏はスーパーで当日の食料を買い揃えた後細かい機材を持って運用地に向かった。


 午前3時には機材が揃った。運用地は一面が田んぼであり、民家等は一切無い為投光機を使い作業を行った。まずは149m丁度に糸を揃え、旗を設置する中間地点に印を付ける作業から始まった。幸いお借りした土地が広大だったため、余裕で直線距離149mが確保出来、糸を計測したのだが、巻き取る作業に苦しめられる事になった。糸が149もある為、少しでも緩むと糸がリールで暴れたり、草に絡みつくのである。最終的に端と端で無線連絡を取り、息を合わせて巻き上げることで綺麗に巻き上げられ、特小を縛りつけ、風船を膨らませる状況になったのは午前6時頃であった。



 若干の休憩を挟んだ後風船の膨らまし、取り付けに掛かった。レピーターは13個目の風船を取り付けた瞬間、ゆっくりと浮き上がった。その後5個程風船を取り付けた所安定して空中に静止するようになり、風もほぼ無風だったため、とりあえず旗の取り付け地点まで上げることにした。

 レピータは安定して上昇し、約2分で旗の取り付け位置まで到達した。
しかし、ここで問題が発生した。旗が上がらないのである。旗は100均のフェルトをサイズに合わせて切り、補強したものを用意したが、旗の重さに加え、準備中に夜露を吸い込んでしまい、重くなってしまった様である。
支線に取り付けるも上がらず


 仕方なくより薄い布を用意、補強し、風船もさらに追加して取り付けるも、上げた瞬間微風でも設備が流される様になった為仕方なく高度59mで運用を行うことになった。この問題については次やる機会があれば要改善である。

 高度59mで気球は非常に安定しており、数局のQSO成立に加え高頻度で各局のカーチャンクと思われる反応が続いていた。午前9時半過ぎ、かながわLE111局現着、電動リールを貸して頂いた他1日実験に協力頂きました。

風に煽られるレピーター

 10時頃リールを電動に換装し、運用を再開しようとしていたその矢先に海側から断続的に風が吹き始め、レピーターを上空に固定する事が困難な状況に陥った。リールを開放している間は風に流されつつも何とか上昇するが、規定の高度に達し、リールをロックすると緩やかに降下していく状況となった。
 



 暫くの間バルーンがギリギリ高度を維持できる長さまで支線を短くし、高度10~20mで運用を行い、その間に昼食をとる事にした。しかし、高度が低い状況でもある程度のカーチャンクがあった様に思われた。

 
一気にリールのロックを解除しレピーターを急上昇させる模様
昼食後何とかしてバルーンを上空59mまで届かせるべく、リールのロックを一気に解除させ、レピーターを上空59mまで急上昇後、高度が下がり始めたら電動リールのパワーに物言わせて一気に接地する前に巻き取る作戦に変更。常時レピーターを上空に留めることは出来ないものの、交信のチャンスは一気に増大、上げる度にカーチャンクが入るようになった。そこで、レピーターが上昇中に現場から「レピーター高度上昇中」などのアナウンスを入れるようにしたところ、それなりの数QSOが成立した。

 この運用方式で午後5時まで運用が続けられ、かなりの数のQSO成立に加え、移動局同士でのQSOや、遠距離からのカーチャンク成功情報などがtwitterに上げられるなどそれなりの運用実績を上げることが出来た。遠距離でのQSO成立例では富士山5合目、カーチャンク成功例では東京都自由が丘が最長だと思われます。神奈川県内では、各地でレピータの入管はある模様で、地域、バルーンの高さによってM1~M5に変化していた模様でした。

明らかになった空中設置型レピータの技術的課題

今回のようなバルーンレピーターに限らず凧、ドローンなどによって空中に特小レピーターを設置する構想はライセンスフリーラジオに留まらず、災害時の通信手段の確保という点においても成功すればかなりのアドバンテージとなる技術であると考えられる。しかし、今回の実験を通し、重大な技術的課題が発生することが明らかとなった。

・法令に従って設置する事の難しさ

これは今回のような支線を用いた形のレピータで大きな足かせとなる物であり、やはり60m以上にレピータを設置する場合に0.6×0.6mの旗を支線中央に設置しなければならないという課題は、風船の強敵である風の影響をもろに受けるうえ、支線が地面に対し垂直に上がらない場合、旗の設置点の高度が下がり、事故の要因となってしまう。これを解決する為には軽量で形状が変化しにくい旗の設計や、すぐに旗の位置を変化させられる留め具の用意が不可欠であると考えられる。

・レピーター本体の振動による激しい抑圧の発生

今回の実験において最もQSOの成立を難しいものとしたのが激しい抑圧の発生である。
今回使用したALINCO製のDJ-R100Dなどのレピーターは1本のアンテナでアップリンクの受信とダウンリンクの送信を行っている為か、激しい抑圧が頻発し、数秒間に渡りダウンリンクから無変調が流れることが多々あった。この現象山岳レピーターなどに遠距離からアクセスした場合にも起こりうるものであるが、レピーターの振動という状況が加わることによりさらに症状が悪化すると思われ、場合によってはアップリンクの変調が全くダウンリンクに乗らず、十数秒に渡って無変調が流れ続けるという事態も発生した。これはレピーターを空中に設置する計画において解決の必要がある最重要課題であると感じた。この症状はレピーターのアンテナを常に垂直に保つ設計や、レピーターの振動を低減させる機構を設けることで症状の改善が見込まれるが、どこまで低減できるかは要検証である。

まとめ

風船で特小レピーターを空中設置する実験を行ったのは恐らく日本初であり、活動的・技術的に見ても非常に魅力的で夢のあるものであり、得られた結果は非常に有意義なものであったと感じている。今回の実験運用の形態は実用的かと問われれば、答えはNOに近いものであったが、激しく変化するコンディションや、抑圧の影響によって、QSO成立の難易度はCB無線のEs交信よりも非常に高く、挑戦しがいのあるレピーターであり、ホビー的に見れば非常に面白いものであったのではないだろうか。また、地上60mの可視マップとQSO成立及びカーチャンク成功地点を比較すると可視圏外まで電波が飛んでいたことが良く分かり、人体や山肌などの影響が少ない事でより遠距離まで電波が届くのではないかと推察出来た。旗、風の問題が無ければかなりの遠距離交信が実現する可能性あることが容易に想像できるが故に今回の失敗が悔やまれるところである。
地上高約59mの可視マップ

最後に

・今回の運用では風などの影響により、風船の高度が上がらず、千葉、北関東方面までカバーしきれず申し訳ありませんでした。
・今回バルーンレピーターアクセスチャレンジして頂いた各局並びに現地協力していただいたかながわLE111局、遠距離受信Y氏のご協力ありがとうございました
・今回の実験はしずおかJG726局との共同実験でした。

動画版運用レポート


https://www.youtube.com/watch?v=0XJp5WXGpdo